【突然耳が聞こえない】突発性難聴の症状や原因・治療方法について解説

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突発性難聴とはこんな病気

突発性難聴とは、原因不明で急に片耳が聞こえにくくなる病気です。どの年齢でもおこりますが、特に40~60歳代によくみられます。男性と女性で発症の差はありません。


適切に治療をした場合でも3分の1が完治、3分の1が回復はするものの軽度の難聴が残り、3分の1が治らないといわれています。発症後おおよそ1か月が経つと耳の障害が固定されてしまうため、発症後1週間以内に治療を始めることが聴力を回復させるためには大切です。

突発性難聴について動画で解説を聞きたい方は、ぜひ以下の動画をご覧になってください。

突発性難聴の主な症状

全く音が聞こえなくなる人、高音だけ聞こえなくなる人、耳鳴りだけの人、朝起きたら片耳が聞こえなくなっていたという人など様々な症状の人がいます。ある日を境に急に聞こえにくくなることが特徴で、難聴が悪化することや聞こえ方が日によって変わることはありません。


メニエール病と突発性難聴はよくにていますが、メニエール病は難聴やめまいを繰り返し、突発性難聴は繰り返さないという違いがあります。


  • 突発性難聴の主な症状
  • 朝起きたら耳の聞こえ方が変
  • 急に片耳が聞こえにくくなった
  • 耳鳴りが続いている
  • めまいや吐き気がある
  • 耳が詰まったように感じる
  • 音が二重に聞こえる

初期症状とは

初期症状は特になく、前触れがなく耳の聞こえが悪くなります。多くは片耳であり、両耳同時で難聴になることはまれです。一部の音域のみの難聴の場合、日常生活を送るのに支障がなく発見が遅れる場合もあります。


難聴とあわせて耳鳴りや耳の閉塞感、めまい、吐き気を伴う患者さんもいます。耳鳴りが主訴で来院された患者さんが突発性難聴と診断されることもあります。

突発性難聴になる原因

明らかな原因は不明です。内耳にある音を伝える有毛細胞が何らかの原因により障害されることにより起こります。ウイルス感染説、内耳血流障害説など様々な説があり複数の要因が組み合わさったものと考えられますが、明らかな原因はわかっていません。

ウイルス感染説

原因となるウイルスはわかっていませんが、ウイルスが原因という説があります。これは、突発性難聴になる前に風邪やヘルペスにかかっていた人が一定数いるというデータがあるためです。あくまでそのような例があったということですが、ウイルスがなんらかの影響を及ぼしている可能性があります。

内耳血流障害説

脳に音を伝える有毛細胞へ血液を送る血管に障害が起こり、突発性難聴となるというのが内耳血流障害説です。血管に障害が起こる原因として、動脈硬化や出血などがあげられます。

ストレス説

ストレスがたまり、交感神経が優位になると血管が収縮します。血管が収縮すると血の通りが悪くなるため血流障害がおこり、結果として突発性難聴を引き起こすといわれている説です。


なお、発症のリスクとしては糖尿病、疲労、睡眠不足、ストレスなどがあるといわれています。

突発性難聴の検査方法・診断

医師が患者さんに質問する問診や聴力検査、必要に応じて画像検査などを実施することにより総合的に診断します。


問診では発症した際の状況、既往歴、服薬歴(難聴となる薬をのんでいないか)を確認し、めまいがある場合には眼振検査を行うこともあります。医師の判断により、治療に並行して必要な検査を実施いたします。

突発性難聴の治療方法

治療は副腎皮質ステロイドの内服や点滴が中心です。そのほかにも循環改善薬やビタミン剤を組み合わせて内服します。治療が十分ではないときなど入院が必要な場合では、耳の中にステロイドを投与する鼓膜内注入を検討します。


ストレスや過労が発症の原因ともいわれているため、治療には安静に過ごすことも大切です。十分な睡眠、栄養のある食事を取り、リラックスして過ごされることをおすすめいたします。

治療後の経過の傾向

治療を開始して1週間ほどで効果が現れます。この時点で改善が見られる場合には治る可能性が高いです。ただ、突発性難聴は適切に治療をした場合でも3分の1が完治、3分の1が回復はするものの難聴が残り、3分の1が治らないといわれています。


発症後おおよそ1ヶ月経過すると耳の障害が残る可能性が高まるため、早期の治療開始が大切です。一般に発症後1週間以内に治療を受けることで改善する確率が高まるといわれています。

ステロイドの効果や副作用

ステロイド剤は人の体の中にあるステロイドホルモンを基につくられた薬です。炎症を抑える効果があり、昔から使用されている使い方や副作用についてよく調べられたお薬です。


ステロイドの治療というと副作用が心配になる患者さんもいらっしゃるかと思います。副作用としてはムーンフェイス(月のように丸い顔)や胃潰瘍、高血圧、糖尿病、骨粗鬆症などがあり、このような副作用はステロイド剤を長期間大量投与する治療でおこりやすいです。


突発性難聴のステロイド治療は副作用を出さないように期間を決めて行います。


はじめは一定量の薬を服用し、少しずつ薬を減らしてやめていくことが多いです。医師は副作用と効果を患者さんごとに考え、薬の量を決めています。医師の指示に従い、薬を服用するようにしてください。

耳が突然聞こえなくなったらすぐに病院へ

突発性難聴は前触れなく片耳の聞こえが悪くなる病気です。発症後1週間以内に治療を開始することで治療効果が得られやすくなります。聞こえ方に違和感を感じたら、はやめに病院を受診するようにしましょう。

記事を読んで不明点や個人的な質問があれば、江東区 東大島駅徒歩1分 よし耳鼻咽喉科までお気軽にご連絡ください。

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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