【今すぐやめたい人必見】CPAP治療をやめる方法やAHIで肥満の人の減量目標値を解説

一度CPAP治療を開始したら一生続けないといけないのかもしれない。そんな疑問を持たれている人もいるかと思います。

  • CPAP治療は一度はじめたらやめることは出来ないのか?
  • どのような状態になればやめることが出来るのか?

この記事では、CPAP治療をやめる方法や目安となる目標についてくわしく解説しています。

目次

【CPAPをやめたい】CPAP治療はやめることが可能な治療法

CPAP治療とは、中等度から重度の睡眠時無呼吸症候群の人に対して保険適用でおこなうことができる治療です。

専用の機械を使い、呼吸をサポートすることで睡眠障害を改善してくれます。睡眠時無呼吸症候群の症状が改善すればCPAP治療をやめることは可能です。

ただし、適切な食事管理・運動習慣などの生活習慣の見直しが必要で、簡単にやめられるわけではありません。

CPAP治療をやめる方法

睡眠時無呼吸症候群の重症度を下げ、CPAP治療が保険適用から外れることができればやめられます。具体的にはAHI(無呼吸低呼吸指数)が20未満まで下がればやめることができます。

睡眠時無呼吸症候群の主な原因は肥満による気道の閉塞です。肥満を改善しAHIの数値が改善すれば、CPAP治療をやめることも可能です。

また、睡眠時無呼吸症候群の原因が肥満ではなくアゴの形が悪かったり扁桃肥大があったりする場合は、手術をおこなうことでCPAP治療を中止できる場合もあります。

睡眠時無呼吸症候群の症状が改善する

体重とAHIの数値には深い関係性があり、肥満が改善すれば睡眠時無呼吸症候群の症状も改善します。

アメリカの研究では、体重が10%増加するとAHIは32%増加し、反対に体重が10%減量するとAHIは26%減少するというデータがあります。

参照:https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7874406/

体重が減り肥満を解消することは、睡眠時無呼吸症候群の症状が改善することにつながるのです。

減量時に大切にすべきこと

減量時に意識して欲しいことは、継続可能な生活習慣を目指すことです。過度な食事制限や無理のある運動習慣では継続は難しく、リバウンドによる体重増加も懸念されます。

食事制限だけで減量を目指さず、運動習慣をつけることも重要です。運動を継続することで筋肉量が増えて、基礎代謝があがれば太りにくい身体を作れます。

減量後の体重を維持できないと、一度良くなってもすぐに症状が再発してしまう可能性があります。継続できることが減量時には大切です。

減量目標値はAHI20未満になる体重

減量の目標はCPAP治療が保険適用からはずれるAHI20未満にすることです。AHI20未満になる体重を減量目標として決めます。

そのほかに、中等度以上の睡眠時無呼吸症候群の70%以上がBMI25を超える肥満体型ですので、BMI25以下に体重を減らすことも一つの目安にしましょう。

マウスピース治療やナステント治療に切り替える

睡眠時無呼吸症候群の治療方法はCPAP治療だけではありません。

マウスピースをつけることで下あごを前に移動させて、舌が喉の奥に落ちるのを防ぐ方法や、ナステントという柔らかいチューブを鼻から喉まで通すことで気道が狭くなるのを防ぐ方法があります。

どちらもCPAP治療とは違う方法で空気の通り道を確保して、睡眠時無呼吸症候群の症状を緩和させることが期待できます。ただし、CPAP治療と同様にマウスピースもナステントも睡眠時無呼吸症候群の原因を治療するわけではありません。

重症度や閉塞している部位によっては、CPAP治療しか効果が期待できない場合もあります。睡眠時無呼吸症候群を治してCPAP治療をやめたいなら、肥満改善は大切です。

睡眠時無呼吸症候群が改善するまえにCPAP治療をやめてもいい?

睡眠時無呼吸症候群の症状が改善するまえに、CPAP治療を自己判断でやめてしまうのは危険です。睡眠時無呼吸症候群の人では眠りの質が低下しています。

その結果日中の眠気や、集中力低下に伴う事故(居眠り運転)などのリスクがあがってしまうのです。

さらに眠りが浅く酸素不足になっている影響で、交感神経が興奮し高血圧を悪化させやすくなり、心臓病のリスクは約3倍脳卒中のリスクは約2倍高まると言われています。

CPAPをやめたい人・やめる人のケース一覧

CPAP治療をやめたいと感じている人や、実際にやめてしまうケースもあります。CPAP治療の装置が合わないことや経済的な理由改善したと勘違いして中止してしまうなど、理由はさまざまです。

やめたい人の主なケースは以下のような内容です。

  • マスクをしていると眠れない
  • 効果を実感できない
  • 目や鼻の中が乾燥する
  • 毎月の通院が困難
  • 治療費が払えない
  • 症状が改善したと思った

もちろん生活習慣を見直して減量に成功し、重症度が下がったことで適切にやめられる人もいます。

CPAP治療が合わずに中止することもある

CPAP治療がどうしても合わず、中止してしまう人もいます。使っても変わらないという訴えや、マスクで皮膚がかぶれたなど、中止理由の9割近くが効果や使用感の問題です。

仕事などが忙しくて、定期的に受診ができない労働世代の中止も多いです。

CPAP治療導入後、1週間のうちに5~50%の人が治療を中止してしまったというデータや、1年程度の治療継続率は50〜80%であることが多いという報告もあります。

参考:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsrcr/28/3/28_417/_html/-char/ja

半数近くの人は治療が必要にもかかわらず、CPAP治療を中止してしまいます。

CPAP治療はいつまで続けるべきかの基準

CPAP治療は根本的治療ではなく対症療法です。減量などに成功し、AHI20未満にならなければやめることはできません。

減量に成功した結果いびきが小さくなったり、日中の眠気が改善したりするなど、自覚症状が減っていれば、睡眠時無呼吸症候群の症状が改善しているかもしれません。

重症度を判断するための検査をおこない、AHIの数値を基準に治療を続けるべきか判断します。

CPAP治療のデメリット・欠点とは

睡眠時無呼吸症候群の改善にCPAP治療は有効ですが、鼻呼吸じゃないと効果が得られないなどいくつかのデメリットや欠点があります。

このほかにも、以下のようなさまざまなデメリットもあります。

  • 寝る時に必ずマスクをつけないといけない
  • 電源設備が必要
  • 毎日メンテナンスしないといけない
  • 鼻に疾患があると使えない
  • 毎月医療機関へ受診する必要がある
  • レンタル料がかかる
  • 出張や外泊時に荷物になる

いくつかのデメリットは適切に対処することで改善できますが、マスクの装着や治療費などのデメリットは、CPAP治療を続けているあいだは必要になります。

CPAP治療をやめたいなら肥満解消から!その他治療への切り替えもあり

CPAP治療をやめたいなら体重を減らし肥満を解消することが大事です。CPAP治療がどうしても自分には合わない、続けられないという人はマウスピースやナステントなどの治療方法もあります。

睡眠時無呼吸症候群は命にかかわる重大な病気です。睡眠時無呼吸症候群をちゃんと治したい方は、お近くの耳鼻咽喉科へ相談してください。

記事を読んで不明点や個人的な質問があれば、江東区 東大島駅徒歩1分 よし耳鼻咽喉科までお気軽にご連絡ください。

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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