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コロナ後遺症のめまいの原因はわかっていない
コロナウイルス感染から治ったあと、めまいが起こることがあります。その原因はわかっていません。コロナウイルスに感染した後の「免疫機能の異常」や「自律神経の異常」などさまざまな要素が関係しているようです。
コロナ後遺症のめまいの症状の特徴
コロナ後遺症によるめまいで地面が揺れたり、目の前がぐるぐる回っているように感じたりすることがあります。軽い症状から歩くのが困難なほどの強いめまいまでさまざまです。コロナ後遺症のめまいは若い世代に多く、頭痛など他の症状を合併することもあります。
コロナ後遺症の中ではめまい・ふらつきの症状の割合は少ない
コロナ後遺症で多いのは嗅覚障害、倦怠感、呼吸困難感です。それらに比べるとめまい・ふらつきの割合は少なく、埼玉県医師会の症例集によるとコロナ後遺症の中でめまいが起きた割合は3.9%でした。症状がめまいのみであることは少なく、多くの場合倦怠感などを伴います。
めまいの症状は10代に多く、頭痛と関連している可能性がある
コロナ後遺症のめまいは10代など若い世代に多いです。10代はホルモンバランスや自律神経が崩れやすいので、めまいが現れやすいです。めまいと頭痛の原因は関連しており、併発しやすいことがわかっています。
なぜ「めまい」は起きるのか
めまいが起きるのは、耳の奥にある内耳という器官に異常が出るためです。内耳は体のバランスを認識する平衡感覚をつかむために必要な器官です。体の平衡感覚が崩れると、めまいが生じやすくなります。脳に病気がある場合にもめまいが起きます。脳卒中、脳出血などが原因の場合、早期の治療が必要です。
コロナ罹患後にめまいの症状がある場合の対処法
コロナ罹患後にめまい症状がある場合、無理をせず医療機関を受診して、医師の診断を受けてください。自宅では水分をしっかりとり、静かな環境で安静にし休養をとることをおすすめします。
コロナ後遺症のめまい症状を医療機関で治療する方法
コロナ後遺症のめまい治療の一つが、上咽頭の炎症を抑えるBスポット治療です。薬での治療の場合、内耳周辺の血流をよくし、自律神経の不調に効果のある薬が使われます。決まった治療法はなく、患者さんの状態に合わせて治療していきます。
Bスポット治療(上咽頭擦過療法)
Bスポット治療は塩化亜鉛という炎症を抑える薬を使う治療です。コロナ後遺症では上咽頭という鼻の突き当たり、上顎の裏側に炎症が起きているため、そこに綿棒で薬を塗ります。炎症があると強く痛みを伴いますが、週1〜2回を10回ほど行えば効果が期待できます。
Bスポット治療の詳しい解説は次の記事も参考にしてください。
>>【当院で治療可能】Bスポット治療(EAT治療)について解説!上咽頭炎やコロナ後遺症に効果的な治療法
漢方や薬による治療も行われる
内耳周辺の血流をよくしてめまいを改善する薬を使います。自律神経の不調が原因の場合、漢方薬を使用することもあります。必ず薬を使うわけではなく、状態や症状に合わせてめまいを和らげることが大切です。
コロナ罹患後の病院での治療例
コロナ罹患後にめまいを訴えた患者さんの治療を見てみましょう。
54歳女性は、めまいと注意力が低下するなどの症状を訴えて耳鼻科を受診しました。診察の結果内耳に異常はなかったため、治療などせず安静に療養することになりました。次の診察日には症状が改善したようです。
10代女性は嗅覚・味覚を感じず、めまいと頭痛で学校にも通学できないほどの状態で受診しました。検査の結果、自律神経の乱れが原因とわかり、漢方薬と内服薬が処方されました。その後、3週間でほぼ症状は改善したようです。
患者さんの状態に合わせて治療することで、コロナ後遺症のめまいは症状が改善しやすく予後が良好であるとわかっています。
コロナ罹患後にめまいの症状が続く場合は医療機関を受診しよう
コロナ後遺症のめまいは原因がはっきりとわかっていません。10代など若い世代に多く、頭痛を伴うことがあるため、日常生活を満足に送れなくなることがあります。早めに病院で診断・治療を受けて、めまいの症状を和らげることが大切です。コロナ後遺症によるめまいは他の病気を合併している可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。
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