花粉症治療は、抗アレルギー薬を服用する対処療法が一般的です。しかし、ヒスタグロビン注射というアレルギー症状全般を抑制して花粉症を改善させる方法もあります。この記事では、ヒスタグロビン注射で期待できる効果や費用、使用時の注意点についてくわしく解説します。
花粉症治療に効果がある「ヒスタグロビン」とは
ヒスタグロビン注射とは非特異的減感作療法で、花粉症はもちろん、ダニやハウスダストといったさまざまなアレルギー症状の改善が期待できる注射薬です。
日本国内では1967年から発売されている歴史のある薬で、国内の献血血液を使って製造されています。人の血液から製造されているため感染症が心配ですが、非常に高い安全基準で製造されており、いままで感染症を起こした報告はありません。
特定のアレルギー物質を体内に取り入れることで感受性を下げる減感作療法や、効果はあるが副反応の報告も多いステロイド注射とは効き方に違いがあります。
ヒスタグロビン注射で期待できる効果
ヒスタグロビン注射は、くしゃみや鼻水が治まらないような中等度以上のアレルギー症状がでている方が対象です。アレルギー体質を改善させることが期待できる治療法なので、アレルギー性鼻炎だけでなく、気管支喘息や蕁麻疹、アトピー性皮膚炎にも適応があります。
主な副作用には蕁麻疹や一時的な鼻症状の悪化がありますが、命に関わるような重大な副作用の報告はほとんどなく安心して使える薬です。
ヒスタグロビン注射には公的医療保険が適用される
ヒスタグロビン注射は公的医療保険が適用されるため、1〜3割負担での治療が可能です。3割負担の場合、初診で1,200円程度、再診の場合は500円~600円程度です。 基本的には6回で1クールの接種となるため、治療にかかる費用は合計4,000円程度になります。
週1~2回の注射を3週間続けると効果が期待できる
ヒスタグロビン注射で効果を得るには、1週間に1〜2回の接種を3週間続けて行う必要があります。合計3〜6回の接種を1クールとし、効果が得られなかった場合は追加でもう1クールの接種が可能です。追加摂取時は増量も可能ですので、効果を感じなかった場合は医師にご相談ください。
ただし効果には個人差があるため、全ての方のアレルギー症状が改善するわけではないのでご注意ください。
花粉シーズンの1か月前に注射を打つのがおすすめ
ヒスタグロビン注射は、効果がでるまでに1か月ほど時間がかかります。スギ花粉の場合は1月ごろ、ヒノキ花粉の場合は2月ごろには接種できるように受診しましょう。
ヒスタグロビン注射の効果は、2〜3か月程度持続すると言われています。通年性のアレルギー性鼻炎の方は、継続的にアレルギー症状が出ないようにするためにも2〜3か月に一度の接種をオススメします。
ヒスタグロビン注射を打つときの注意点
ヒスタグロビン注射を接種する際は、以下の注意点があります。
- ワクチンの接種に影響を与える可能性がある
- 献血ができなくなる可能性がある
- 持病や既往によっては注射を打てない
- 副作用がでる可能性がある
ひとつずつくわしく解説します。
他のワクチンを打つタイミングを調整する
ヒスタグロビン注射は、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘ワクチンといった生ワクチンの効果獲得に影響を与える可能性があります。予防注射の効果を得るために、ヒスタグロビン注射から3〜4か月の期間をあけて生ワクチンを接種するようにしましょう。生ワクチン摂取後も、2週間はヒスタグロビン注射をしないようにしてください。
献血ができなくなることを把握しておく
ヒスタグロビン注射薬は、献血などから抽出した免疫グロブリンを使って製造される生物製剤です。注射後は少なくとも3か月は献血ができなくなりますので、定期的に献血をしている方は事前に医師へ相談しましょう。
既往歴などによって注射を打てない場合もある
ヒスタグロビン注射は、激しい喘息発作時や月経直前、月経中の方は症状を悪化させる可能性があるため接種できません。体力が激しく低下している方や妊娠している方、過去にヒスタグロビン注射でショックを起こしたことがある方もリスクが高いので接種することは難しいです。
副作用がでる場合もある
ヒスタグロビン注射は副作用がでる場合があります。しかし、命に関わるような重大な副作用はなく、蕁麻疹などの発疹や、一次的な鼻症状の悪化、かゆみ、咳といった報告が0.1〜5%未満であります。
接種後にこれらの症状が気になった場合は、担当医や薬剤師に必ず相談してください。
「ヒスタグロビン注射」と「ノイロトロピン注射」の違い
ヒスタグロビン注射と似た薬でノイロトロピン注射というものがあります。
ノイロトロピン注射とは、ウイルスを接種したウサギの炎症皮膚組織から抽出したエキスから作られた注射薬です。ヒスタグロビン注射とは違い、ノイロトロピン注射はアレルギー症状を引き起こす物質の放出を抑えることで効果を発揮します。2つの注射薬は効き方が違うため、相乗効果が期待できることから2剤を併用する方もいます。
花粉症治療の相談は耳鼻咽頭科へ
花粉症治療には内服治療が一般的ですが、症状がひどい方にはヒスタグロビン注射を接種するという方法もあります。ヒスタグロビン注射は、アレルギー症状を抑えるのではなくアレルギー体質そのものを改善する効果が期待できます。
花粉症の症状でお悩みの方は、専門医である耳鼻咽喉科にご相談ください。