鼻詰まりによって起こる息苦しさや慢性的な疲労感、睡眠不足などの症状で困っていませんか?症状が慢性化しやすく治りづらい鼻詰まりですが、ツボ押しをすることで症状が緩和される可能性があります。
この記事では、鼻詰まりに効くツボや効果をアップさせるコツについてくわしく解説します。
ツボ押しで鼻詰まりが改善できるのはなぜ?
ツボ押しは古代中国で生まれた治療方法であり、現在ではWHO(世界保健機関)でもその効果が認められています。WHOに認定されているものだけで361のツボがあり、それぞれのツボが臓器とつながっています。
臓器の機能が弱まると、それにまつわるツボも「痛み」や「硬さ」などの異変が生じるようになるため、ツボは身体の不調が表れやすい部位とされるのです。
身体の不調にあわせたツボに刺激をくわえると、血行が良くなり自然治癒力が高まります。
そのため、鼻詰まりに効くツボを押すと症状改善が期待できるわけです。
鼻詰まりに効くツボ10選
鼻詰まりに効くツボは、顔や首、足などあらゆるところに位置しています。ここでは、鼻詰まりに効く代表的なツボ10個を、表にまとめて紹介します。
名称 | 部位 | 期待できる効果 |
迎香(げいこう) | 小鼻の横の窪んでいる所 | 鼻詰まりによる嗅覚異常の改善 |
印堂(いんどう) | 眉間の中央 | 鼻詰まりの改善頭痛や眼精疲労の緩和 |
上星(じょうせい) | 顔の中心線上にある前髪の生え際のやや上 | 鼻詰まりや鼻水、花粉症による鼻炎の改善 |
睛明(せいめい) | 目頭と鼻根の間 | 鼻水や鼻詰まりの改善 |
大椎(たいつい) | 首後ろの最も出っ張っている骨のすぐ下 | 鼻水や鼻詰まりの改善 |
天柱(てんちゅう) | うなじ付近の髪の生え際 | 鼻水や鼻詰まりの改善首こりや眼精疲労の緩和 |
尺沢(しゃくたく) | 肘のやや内側 | 鼻詰まりの改善免疫バランスを整える |
合谷(ごうこく) | 手の親指と人差し指の骨が交差する所 | 鼻の通りの改善頭痛や肩こりの緩和 |
足三里(あしさんり) | 膝下のやや外側 | 鼻詰まりの改善胃腸の働きを整える |
厲兌(れいだ) | 足の人差し指の外側 | 鼻の通りの改善胃腸の働きを整える |
それぞれのツボの部位や期待できる効果をくわしく解説するので、鼻詰まりに悩まれている方は、ぜひひとつずつチェックしてみてください。
迎香(げいこう)
迎香(げいこう)は、「香りを迎える」という名前のとおり、鼻詰まりによって匂いが感じにくいときに効果のあるツボです。左右の小鼻の横にあり、ほうれい線上に位置しています。
迎香を押す際は、両手の人差し指で鼻を挟むように当てて、両側から斜め45度の角度で上方に向かって指圧しましょう。3秒押したら6秒休む作業を1セットとして、これを3セット繰り返し行います。
印堂(いんどう)
印堂(いんどう)は、両眉の間に位置しているツボで、鼻詰まり改善のほか、頭痛や眼精疲労の改善効果が期待できます。押す際は人差し指を垂直に当てて、鼻の方向にやや強めに押すのがポイントです。
上星(じょうせい)
上星(じょうせい)は顔の中心線上にあり、前髪の生え際からやや上(3cm程度)にあるツボです。鼻詰まりや鼻水、花粉症による鼻炎に効果があるとされています。
中指の先をツボに当てた状態から鼻の方向に向かって1分程度、押したり離したりを繰り返して指圧してください。
睛明(せいめい)
睛明(せいめい)は、左右の目頭と鼻の付け根の間にあり、鼻詰まりや鼻水の改善効果が期待できるツボです。鼻の横に両人差し指を平行にあてた状態から、マッサージするように指を上下に動かします。
目のかすみや疲労にも効果的なツボと知られており、目の疲れが溜まっている就寝前に押すのがおすすめです。
大椎(たいつい)
大椎(たいつい)は、下を向いたときに触りやすい、首後ろで最も出っ張っている骨のすぐ下に位置しています。大椎には、鼻詰まりや鼻水を緩和する効果があるといわれています。
首の後ろに位置しているため、押すのが難しい方は横向きやうつ伏せに寝た状態で行ったり、カイロやホットタオルなどで温めたりするのもおすすめです。
天柱(てんちゅう)
天柱(てんちゅう)は、うなじ付近の髪の生え際に位置しているツボで、鼻水や鼻詰まりの改善効果が期待できます。親指をあてた状態で、10秒程度ツボを押したり離したりを繰り返すのがポイントです。
首こりや眼精疲労にも効果があるといわれており、リラックス状態にある就寝前に行うのがおすすめです。
尺沢(しゃくたく)
尺沢(しゃくたく)は、肘を曲げたときにでるシワのやや内側にあるツボで、鼻詰まり改善のほか、免疫バランスを整える効果も期待できます。気持ちいいと感じる程度で、ゆっくりと指圧するようにしましょう。
合谷(ごうこく)
合谷(ごうこく)は、手の甲側にある、親指と人差し指の骨が交差する部分に位置しています。鼻詰まりに効くだけでなく、頭痛や目のかすみ、肩こりなどさまざまな症状の改善が期待でき、万能のツボといわれています。
合谷は痛みを感じやすい部分ですが、痛気持ちいい程度でやや強めに指圧しましょう。迎香と一緒に刺激をくわえると、相乗効果が得られて効果アップにつながりやすくなります。
足三里(あしさんり)
足三里(あしさんり)は、冷たいものをたくさん飲食し、胃腸の働きが低下したときに起こる鼻詰まりに効果的なツボです。膝の皿の下(指4本分程度)からやや外側の窪んだ部分に位置しています。
足三里に刺激をくわえる際は、両手の親指を重ねると、安定して指圧できるのでおすすめです。
厲兌(れいだ)
厲兌(れいだ)は、足の人差し指の外側で、爪の生え際にあるツボです。鼻の通りをスムーズにするだけでなく、鼻血が止まらないときに効果的とされています。
厲兌を刺激する際は、手の親指と人差し指でつまんで揉みましょう。
また足三里と同様に、胃腸の働きを整える効果が見込めるため、胃もたれや身体のだるさを感じている方にもおすすめです。
ツボ押しの効果をアップするコツとは?
ツボ押しの効果を高めるには、ツボ押しの適切な方法を理解しましょう。誤った方法で行うと、身体の不調や痛みを引き起こすおそれがあります。ここでは、ツボ押しを効果的に行うためのコツを5つ解説します。
リラックスした状態で行う
ツボを押す際は、心身ともにリラックスした状態で行いましょう。ツボ押しの前に数回深呼吸を繰り返したり、ツボ周辺の筋肉を軽くストレッチしたりすると、心身ともに脱力して刺激が伝わりやすくなります。
リラックスしながら行うには、入浴後のくつろいでいる時間帯や楽に感じる姿勢で行うのもおすすめです。
痛気持ちいい力で押す
ツボを押す際の強さは、痛気持ちいいと感じる程度で押すのがポイントです。
ツボ押しは、力を入れて強く押せば効果が上がるものではありません。強く押しすぎてしまうと、かえって痛みを引き起こすおそれがあります。
軽い痛みを感じながら心地よさも感じられる、自分にふさわしい力加減で行いましょう。
息を吐きながらツボを押す
ツボを押す際は、息を吐きながら行いましょう。息を吐くと、副交感神経が優位になり、リラックスした状態でツボを刺激しやすくなります。
ツボ押しの前に大きく息を吸い込み、息を吐きながらツボを押していくのが、効果を高めるコツです。
手を温めてから行う
ツボ押しの効果をより高めるには、手を温めてから行うこともポイントのひとつです。手を温めた状態でツボを押すと、ツボ周辺の血行が促進され、症状の改善につながりやすくなります。
ツボは押すだけでなく、カイロやホットタオル、湯たんぽなどで温めるだけでも効果が期待できます。
食後や飲酒後は行わない
食後の満腹時や飲酒後は、ツボ押しのタイミングとして避けるようにしてください。
食後は食べ物を消化するために、全身の血液が消化器官に集まっている状態にあります。食後すぐにツボ押しを行うと、血行が良くなることで消化器官を流れる血液が減少し、消化不良をきたすおそれがあります。結果として、胃もたれや便秘など身体の不調を引き起こしかねません。
飲酒後は体内にアセトアルデヒドという有害物質が発生します。ツボ押しを行うことで、アセトアルデヒドが急速に全身へと回り、動悸や吐き気などの症状を引き起こしやすくなります。
ツボ押しの効果をより高めるには、行うタイミングも考慮しましょう。
ツボ押しを活用して鼻詰まりを乗り越えよう
ツボ押しは、WHO(世界保健機関)に効果が認められている治療法であり、押す部位によって得られる効果はそれぞれ異なります。いつどこでも簡単に行えるため、思い立ったその瞬間から取り組めるのがツボ押しの大きなメリットです。
鼻詰まりがなかなか改善されずに悩まれている方は、本記事で紹介した鼻詰まりに効くツボ押しをぜひ試してみてください。
ツボを押しても鼻詰まりが治らないときや早く鼻詰まりを治したい方は、耳鼻科を受診し専門家にしっかりと相談しましょう。