めまいの種類ごとの原因や考えられる病気を解説|めまいの予防法も紹介

つらいめまいに悩んでいませんか?めまいには複数の種類があり、種類ごとに原因や考えられる病気が異なります。この記事では、めまいの種類ごとの原因について解説しつつ、めまいの予防法も紹介します。早くめまいを改善したい方はこの記事を参考にしてください。

目次

めまいの種類ごとの原因

めまいは大きく3種類に分類されます。ぐるぐると目が回る「回転性めまい」やフワフワと身体が浮くような「浮動性(動揺性)めまい」、目の前が急に真っ暗になる「立ち眩みのようなめまい」の3種類です。それぞれの原因や症状を詳しく解説します。

ぐるぐる目が回る回転性めまい

ぐるぐると目が回る回転性のめまいは、耳に原因がある場合が多いです。回転性めまいの場合は、以下の病気の可能性があります。

  • 良性発作性頭位めまい症
  • メニエール病
  • 前庭神経炎

良性発作性頭位めまい症は、頭を動かしたときに回転性めまいが起こるのが特徴です。メニエール病の場合は10分~数時間ほど回転性のめまいが続きますめまいが繰り返し生じるのもメニエール病の特徴です。

前庭神経炎突然激しい回転性のめまいが起こる病気です。めまいとともに吐き気や嘔吐を伴う場合は、前庭神経炎の可能性があります。回転性のめまいが起こったときは耳鼻咽喉科を受診してください。

フワフワと身体が浮くような浮動性(動揺性)めまい

浮動性(動揺性)めまいには回転性めまいを伴う場合があり、その場合はさきほど説明した耳の病気が関係している可能性があります。回転性めまいを伴わない場合は、脳の異常が原因の可能性があります。考えられる病気は以下のとおりです。

  • 脳梗塞
  • 脳出血
  • くも膜下出血
  • 脳腫瘍

上記の脳の病気はいずれも命の危険や後遺症が残ってしまう場合があります。激しい頭痛を伴う場合や、手足のしびれがある場合は脳の病気の可能性があるため、すぐに脳神経外科や脳神経内科を受診してください。

目の前が急に真っ暗になる立ち眩みのようなめまい

立ち眩みのようなめまいの場合は、自律神経の病気や循環器系の疾患、薬剤性のめまいの可能性があります。考えられる病気などは以下のとおりです。

  • 低血圧症
  • 起立性調整障害
  • 血管迷走神経反射
  • 貧血
  • 不整脈
  • 心臓弁膜症

寝起きの状態から起き上がったときなどにくらっとする場合や、頭からスーッと血の気が引くような感覚がある場合は上記の可能性があります。降圧剤や抗てんかん薬などを服用している場合は、副作用によるめまいが考えられます。立ち眩みのようなめまいは内科循環器内科を受診しましょう。

めまいの予防法5選

めまいの予防には、日ごろの生活習慣の見直しが重要です。めまいの予防法を5つ解説します。自分にできそうなものから挑戦してみましょう。

十分な睡眠

十分な睡眠めまいの予防に欠かせません。睡眠不足が続くと自律神経が乱れやすくなり、めまいの原因になります。以下のポイントを意識して、質の高い十分な睡眠を確保しましょう。

  • 毎日同じ時間に就寝・起床する
  • 寝る前のスマホやパソコンを控える
  • 夜にリラックスする時間を確保する

睡眠は健康な心身を保つために重要です。睡眠不足を感じている方は、少しずつでも睡眠習慣を改善させましょう。

寝返り運動

寝返り運動良性発作性頭位めまい症の予防に効果的です。以下の寝返り運動を起床時と就寝時の1日2回試してみてください。

  • 仰向けに寝転ぶ
  • 体ごと左に10秒傾ける
  • 今度は右に10秒傾ける
  • 以上を10回繰り返す

寝返り運動は予防のための運動ですので継続して行ってください。めまいがつらいときは無理をせず、医師へ相談しましょう。

小脳トレーニング

小脳トレーニングを行うと平衡感覚が整えられるため、めまいの予防につながります。おすすめの小脳トレーニングを2つ紹介します。1つ目の小脳トレーニングのやり方は以下のとおりです。

  • 椅子にしっかり座る
  • 両腕を肩の高さに上げる
  • 腕を肩幅より広めに開き親指を立てる
  • 頭を動かさずに目だけで左右の親指の爪を交互に見る
  • 回数を声に出しながら10往復続ける

2つ目の小脳トレーニングのやり方は以下のとおりです。

  • 片手を前に伸ばす
  • 伸ばした手の親指を立てる
  • もう片方の手であごを固定する
  • 伸ばした手を左右に大きく動かす
  • 親指を目だけで追う
  • 10往復続ける

小脳トレーニングは1日1回から行い、慣れたら朝昼晩の3回行いましょう。めまいが起こるのが怖くて体を動かさずにいると、めまいがさらに起こりやすくなってしまいます。無理のない範囲で運動を行い、めまいを予防していきましょう。

バランスの良い食事

栄養バランスの良い食事も、めまいの予防には欠かせません。めまいの予防には、血流改善や疲労回復、貧血予防になる食べ物が効果的です。以下の食べ物を毎日の食事に適度に取り入れましょう。

  • 良質なたんぱく質(鶏肉や魚など)
  • 鉄分を多く含む食べ物(赤身肉やレバーなど)
  • カルシウムを含む食べ物(乳製品や小魚など)
  • ビタミンBやCを多く含む食べ物(豚肉や果物など)

めまい予防には高塩分の食事を控えることも重要です。塩分の過剰摂取は高血圧やメニエール病の悪化に繋がります。塩分控えめでバランスの良い食事を心がけましょう。

禁煙

禁煙もめまいの予防には大切です。喫煙は血管を収縮させて血流を悪化させるため、脳や心臓の病気を発症する原因になり、その結果めまいを発症する可能性があります。

禁煙はめまいの予防だけでなく、健康な心身づくりに効果的です。たばこの本数を今よりも減らすなど、できることから挑戦してみましょう。

めまいの受診の目安とは?

めまいは重篤な病気のサインの可能性があります。以下の症状がある場合は早めに病院へ受診しましょう。

  • 頻繁にめまいを繰り返す
  • 頭痛や手足のしびれを伴う
  • 吐き気や嘔吐を伴う
  • 耳鳴りや難聴、耳の詰まり感を伴う

受診の目安や適切な病院の選び方を詳しく知りたい方は、以下の記事も合わせてご覧ください。
>>めまいは何科を受診するべき?原因別の病院の選び方や受診の目安を解説

めまいがつらいときは医師に相談しよう

めまいには主に「回転性めまい」「浮動性(動揺性)めまい」「立ち眩みのようなめまい」の3種類があります。回転性めまいの場合は耳の病気の可能性があり、浮動性めまいの場合は脳の病気が考えられます。立ち眩みのようなめまいの場合は自律神経の異常かもしれません。

めまいの予防には十分な睡眠や適切な食事などの生活環境習慣の改善が欠かせません。寝返り運動や小脳トレーニングなどの運動も効果的です。症状がひどいときや長引くときは、めまいの専門である耳鼻咽喉科を受診してください。

当院ではめまい外来を取り入れています。めまいの原因をしっかり調べ、あなたにあった治療法を提案します。めまいに悩む方は、お気軽にご相談ください。
>>よし耳鼻科

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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