正しい耳掃除の頻度を知っていますか。耳掃除はやりすぎてしまうと、かえって病気を引き起こす可能性があるため注意が必要です。耳あかには感染予防などの働きもあり、必ずしも不要なものではありません。
今回の記事では正しい耳掃除の頻度だけでなく、耳あかの持つ働きや注意点についても分かりやすく解説します。
正しい耳掃除の頻度とは
基本的に、耳掃除を行う必要はありません。耳掃除をしないと気になる方でも、2〜3週間に1回程度が目安です。
耳掃除が必須ではない理由と、2〜3週間に1回程度で十分な理由について詳しく説明します。
耳掃除は必須ではない
耳あかは自然に外へ排出される仕組みになっているため、耳掃除は必須ではありません。むしろ、耳掃除の際に綿棒や耳かきで強くこすることで、炎症を起こしたり耳あかが奥につまったりする可能性があるのです。
耳掃除が必須ではない詳しい解説は、以下の記事をご参照ください。
>> 実は…耳掃除は不要!実施する場合の正しい方法や頻度・注意点・関連する病気について解説
耳掃除は2~3週間に1回が目安
どうしても耳掃除しないと気になる場合は、2〜3週間に1回の頻度で行いましょう。外耳道の皮膚は約2週間で再生します。乾いた耳あかは自然に排泄されますが、湿った耳あかは耳の入り口付近に残る場合があります。外耳道の再生に合わせた頻度で行うことが大切です。
耳掃除で痛みを感じた場合、鼓膜に近い部位に触れている可能性もあるため注意してください。
耳あかについて
耳あかとは、耳の穴である「外耳道(がいじどう)」の皮膚が剝がれたり、汗や皮脂など耳内の分泌物が空気中の埃やゴミと混ざったりすることによって作られるものです。
耳あかは不要なものと感じるかもしれませんが、実は耳あかには耳のなかをきれいにしたり、感染を防いだりする働きがあるのです。
耳あかの持つ3つの働きについて詳しくみていきましょう。
耳あかが持つ3つの働き
耳あかは3つの働きを持っており、必ずしも除去しなければいけないものではありません。耳あかのもつ働きは以下の3つです。
- 自浄作用
- 潤滑作用
- 感染防御
自浄作用とは、外から入ってきたゴミを吸着する働きです。吸着したゴミは耳のなかに存在する「線毛」と呼ばれる毛によって、耳の外に排出されます。
潤滑作用とは、耳垢腺(じこうせん)からの分泌液によって外耳道皮膚を守る働きです。耳内分泌液は濃度の高い脂質から成るため、外耳道の湿潤を保ち、乾燥防止につながります。
感染防御とは、耳あかに含まれるタンパク質分解酵素とIgAと呼ばれる抗体による働きです。これらの働きも菌の増殖を抑えることにつながります。
耳あかは自然に耳の外へ排出されるものであり、感染予防にも役立ちます。そのため、耳掃除は必須ではないということを理解しておきましょう。
耳あかがたまりやすい場所
耳あかは自浄作用によって自然に外へと排出されることから、外耳の入口近くに溜まりやすくなります。
耳かきする範囲の目安としては、耳の入口から1cm程度です。耳かきが原因でかえって耳あかが奥に入ってしまうこともあるので、耳の奥までむりやり掃除することのないように注意しましょう。
耳掃除のときに注意すべきこと
耳掃除はやりすぎたり方法を間違えたりすると、かえって病気を発症するおそれもあるため注意が必要です。耳掃除や綿棒・耳かきの正しい使い方についてみていきましょう。
やりすぎに注意
耳掃除をやりすぎると、耳の皮膚を傷つけ、外耳炎など耳の病気を引き起こす可能性があります。外耳炎などを発症するとかゆみを生じるため、さらに耳掃除がしたくなり症状が悪化するおそれもあります。
耳掃除は、「優しく行うこと」と「頻回に行わないこと」が大切です。2~3習慣に1回程度を目安に、必要に応じて見える部分だけを優しく掃除しましょう。
綿棒や耳かきの使い方に注意
耳掃除の際に綿棒や耳かきの使い方を誤ると、耳あかを奥に押し込んでしまう可能性があります。特に、入浴後は水分で耳あかが柔らかくなっているため、耳あかを奥に押し込んでしまう可能性があるので注意が必要です。
力任せに綿棒や耳かきで強くこすることも、耳のなかを傷つける原因となるため避けるようにしましょう。
正しい耳掃除についての詳しい内容は、こちらの記事をご参照ください。
>> 実は…耳掃除は不要!実施する場合の正しい方法や頻度・注意点・関連する病気について解説
耳の奥を傷つけないためには耳鼻科に行こう
耳掃除の最も良い方法は、耳鼻科を受診することです。正しい頻度や方法での耳掃除ができていない場合、かえって耳の奥を傷つけ、病気を引き起こす可能性があります。耳鼻科では耳掃除も行っており、安全な状態で耳のなかをきれいにすることが可能です。耳の奥を傷つけないためにも、耳あかが気になる方やかゆみを感じた場合には、専門の耳鼻科へ受診しましょう。