【3歳児の耳掃除】子どもの耳掃除は必要!したことない場合の対応や効果的な頻度についても紹介

3歳児は耳掃除をしたほうがいいのか悩んでいませんか?耳垢は基本的には自然に耳の外に押し出されます。しかし、子どもの場合は耳の穴が狭く、耳垢が溜まりやすいので注意が必要です。この記事では、子どもの耳掃除の適切な頻度や、耳掃除が難しい場合の対処法について詳しく解説します。

目次

3歳児をはじめ、子どもの耳掃除は必要

3歳児をはじめとした子どもの場合は、耳垢が溜まりやすいので耳掃除が必要です。

耳垢が多いと、耳垢が耳の奥で固まって「耳垢栓塞(じこうせんそく)」の状態になることがあります。耳垢栓塞とは耳垢で耳の穴がふさがれる状態で、音の聞こえが悪くなったり、外耳炎を引き起こしたりします。子どものように耳垢が溜まりやすい場合は、定期的なケアで耳の状態をチェックするのが大切です。

子どもの耳掃除は2週間~1か月に1回程度が適切

耳垢は、古くなった皮膚が新陳代謝ではがれたものと、皮脂腺からの分泌物が混じってできたものです。本来耳垢は耳の入り口まで押し出されて自然に排出されるので、毎日耳掃除をする必要はありません。しかし子どもの場合は、外耳道が狭くかつ代謝も盛んなため、耳垢が溜まりやすいです。2週間〜1か月に1回程度を目安に耳掃除を行いましょう。

耳掃除をしたことがない場合は耳鼻科で診療を受けましょう

耳鼻科では耳掃除を保険診療でやってもらえます。子どもの耳掃除くらいで受診させて良いのか迷うかもしれませんが、その心配はありません。

耳鼻科に行くメリットは、耳の中を傷つけずに耳垢をきれいに取り除ける点です。専用の機器を使って、耳の中や鼓膜を傷つけずに耳掃除をしてくれます。耳垢が固くて取れない場合や、耳掃除を嫌がる場合は耳鼻科への受診が望ましいです。

耳掃除のやり過ぎには注意

子どもや高齢の方は耳垢が溜まりやすいので、定期的な耳掃除が望ましいです。ただし、耳掃除をしすぎると、耳の中に傷ができて細菌が入り、炎症やかゆみを引き起こすこともあります。耳掃除は適切な頻度にとどめておきましょう。

不適切な方法で耳掃除すると、かえって耳垢が増え、耳垢を奥に押し込んでしまうおそれもあります。耳掃除のやり方に少しでも不安があれば、自宅で耳掃除をせず、耳鼻科で耳垢をとってもらいましょう。

耳には自浄作用があり、耳垢は自然と外耳道の外へ排出される

外耳道*には自動的に耳を掃除する自浄作用があり、古くなった皮膚やゴミを自然に外へと運び出してくれるのです。耳垢は1週間で約4~5mmのペースでゆっくりと外に押し出されていきます。耳掃除を頻繁に行うと、皮膚刺激によって自浄作用を止めてしまい、耳垢が奥に溜まりやすくなってしまいます。

*外耳道・・・耳の穴の入り口から鼓膜までの部分

耳垢が溜まりやすい人の特徴

耳垢の性状は遺伝的に決まっています。日本人の約7割はカサカサした乾性耳垢、約3割はベタベタした湿性耳垢です。耳垢が乾燥しているタイプの方は、自然に耳垢が外にでてきやすいです。しかし湿性耳垢の方や、以下の特徴にあてはまる方は耳垢が溜まりやすいので注意しましょう。

  • 耳掃除の回数が多い方
  • 外耳道が狭い方
  • 高齢者(加齢により自浄作用が低下する)
  • 子ども(外耳道が狭く、代謝が活発)
  • イヤホンや補聴器を使う方
  • アトピー性皮膚炎の方

特に子どもは大人よりも外耳道が狭く新陳代謝も盛んなため、耳垢が溜まりやすいです。耳垢が溜まりすぎていないか、定期的に耳鼻科で診てもらいましょう。

子どもの耳掃除は耳の入り口付近の汚れをぬぐい取るだけでOK

耳垢は外耳道の手前側に溜まりやすいので、掃除する範囲は耳穴の入り口から1cmほどで十分です。タオルやガーゼ、綿棒を使って、耳の入り口から見える範囲だけを優しく拭き取るようにしてください。耳の奥まで綿棒を入れてしまうと、耳垢を奥に押し込み、結果的に耳垢が溜まってしまうので注意しましょう。

耳掃除するときには耳かきの使用は避けてください。外耳道の奥は皮膚が薄くデリケートです。竹や金属など硬い材質の耳かきを使用すると簡単に傷がついてしまいます。子どもの耳掃除にはベビー用の綿棒がおすすめです。子どもの小さい耳にも使いやすく、耳を優しくケアできます。

子どもの耳掃除の注意すべきポイント

耳かき中の事故は0〜4歳で最も起こりやすいです。家で耳掃除をする場合は周りを確認するなどの安全に配慮する必要があります。

安全に耳掃除をするための注意点をいくつかお伝えします。

耳掃除は明るい場所で行う

耳掃除は、しっかりと耳垢や耳の中を観察できるように明るい場所で行いましょう。明るいところで外から見える範囲を掃除すれば十分です。暗いところで行うと、綿棒を思った以上に奥まで入れてしまう可能性があり危険です。

耳に棒を入れる深さは入り口から1センチ以内

耳掃除では、耳の入り口から1cmまでのところをガーゼや綿棒でぬぐうことで十分に清潔を保てます。

耳の奥の鼓膜近くは、皮膚が薄く傷つきやすいです。耳掃除を奥までやると、傷口から細菌感染が起こり、外耳炎になることがあります。耳掃除は耳の入り口部分にとどめ、奥のほうはいじらないようにしましょう。

周りをよく確認してから行う

耳掃除をしているときに兄弟やペットがぶつかってきて、耳の中の出血や、鼓膜に穴が開くなどの危険があります。耳かきをするときには、兄弟が騒いだり走ったりしないように声がけをしてください。家で耳掃除をするときには、安全に行える場所かどうかまわりをよく確認してから行いましょう。

耳掃除中のケガに気をつけよう

東京消防庁の報告によると、以下のような事例を含めて、4歳以下の事故が他の年代に比べて多くなっているそうです。

  • 耳かきをしていたところ、兄弟が投げた衣類が手に当たり、耳かきが耳の奥に入ってしまい受傷した(9歳 軽症)。
  • 耳かきをしながらベッドで飛び跳ねていたところ、耳の奥まで綿棒が入ってしまい受傷した(6歳 軽症)。
  • 親が子どもの耳かきをしていたところ、子どもが急に頭を振り、耳から出血した(3歳 軽症)。

耳かき中に子どもが急に頭を動かしたり、暴れたりすることもあります。落ちていた綿棒で子どもが遊んでしまい、耳を傷つけてしまうこともあります。

子どもの性格や家の環境に注意して、家庭での耳掃除が難しい場合には、耳鼻科で耳掃除をしてもらうのも良い方法です。

3歳児の耳掃除が難しくてしたことない…そんなときは耳鼻科を受診しよう!

耳垢をとるくらいでは病院に行きにくいと思うかもしれませんが、耳掃除は保険診療で認められた医療行為です。耳掃除と合わせて外耳道の診察も行うので、耳の病気を早く見つけることができます。

子どもは耳垢が溜まりやすく、耳垢を放置すると耳垢栓塞などの病気を発症することもあるので、定期的な耳のチェックが大切です。固くなった耳垢を無理に取ろうとすると、ケガや病気につながることもあります。子どもへの耳掃除をしたことがなかったり、難しいと感じたりしているのなら、一度専門の耳鼻科に受診してみましょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

目次