鼻詰まりの原因とは?症状別の原因疾患や耳鼻科での治療法も紹介!

鼻詰まりは鼻水が原因だと思っていませんか?実は鼻水だけではなく、鼻粘膜の炎症が原因でも鼻詰まりは起こります。この記事では、鼻詰まりの原因や治療方法について詳しく解説しています。 

目次

鼻詰まりは鼻水が詰まった状態だけではない!

鼻詰まりは鼻水の詰まりだけではなく、鼻粘膜の腫れや鼻の構造も原因のひとつです。鼻粘膜に炎症が起こると毛細血管が広がり、鼻腔の粘膜が腫れることで空気の通り道が狭くなるからです。

鼻水の症状も同時に起こりやすいため、鼻水が詰まって鼻詰まりが起きていると錯覚してしまいますが、鼻水と鼻詰まりは別の症状と考えて治療を行う必要があります。

鼻詰まりの原因とは?

鼻詰まりは鼻粘膜の炎症や鼻の構造、鼻内部のしこりなどさまざまな要因が関わっています。これらの要因は、鼻腔を狭くして鼻詰まりを引き起こします。

鼻詰まりを引き起こす主な原因は以下の通りです。

  • 風邪
  • アレルギー性鼻炎
  • 副鼻腔炎
  • 鼻炎薬の使いすぎ
  • 鼻の内部のしこり
  • 鼻腔への異物混入
  • 鼻咽腔の腫れ
  • 鼻中隔の曲がり
  • 妊娠性鼻炎

それぞれ具体的に解説していきます。

風邪

風邪などのウイルス感染で鼻粘膜の炎症が起こると、鼻腔が狭くなり鼻詰まりを起こします。ウイルスに感染するとサイトカインという炎症物質が放出されます。サイトカインの作用で炎症が起こるため、鼻粘膜が腫れて鼻腔が狭くなるのです。その結果鼻詰まりや鼻水などの症状が起きてしまうのです。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎も原因の一つで、花粉やハウスダストなどのアレルゲンに鼻粘膜が過剰に反応することで起こります。ヒスタミンなどの化学物質が放出され、鼻粘膜の血管が拡張するため腫れが起こります。花粉などの季節性アレルギーやほこりなどの通年性アレルギーがあり、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどの症状も伴うことが特徴です。

副鼻腔炎

副鼻腔炎による鼻粘膜の炎症も鼻詰まりを引き起こします。副鼻腔炎は細菌感染などによって副鼻腔に炎症が起こっている状態です。副鼻腔炎では発熱の症状はほとんどなく、ドロッとした鼻水が出たり、頬周辺の痛みを伴ったりすることが特徴です。

鼻炎薬の使いすぎ

血管収縮剤が含まれる鼻炎薬を使いすぎると、鼻粘膜が炎症を起こし鼻詰まりが悪化する可能性があります。長期間の使用や繰り返しの使用は逆に粘膜の炎症を引き起こし、鼻詰まりを悪化させてしまいます。自己判断で連用しないように注意してください。

鼻の内部のしこり

鼻の内部にしこりができると、空気の通り道が狭くなるため鼻詰まりが発生します。

副鼻腔炎など慢性的な鼻粘膜の腫れによって鼻茸(鼻ポリープ)ができたり、腫瘍ができたりして鼻が詰まってしまう可能性があります。

鼻腔への異物混入

鼻腔に異物が入ると鼻が詰まっていると感じます。ほこりなどの汚れや固まった鼻くそが代表的です。小児では、豆やおもちゃの一部などが鼻腔内に入り込むことで起こる場合もあります。異物の種類や滞留時間によっては炎症や感染を引き起こし、片側性の鼻閉や分泌物の増加、異臭などの症状を感じます。

鼻咽腔の腫れ

鼻咽腔の炎症や腫瘍により空気の通り道が狭くなるため、鼻詰まりが生じます。アデノイド肥大や鼻咽頭炎、悪性腫瘍などが原因です。鼻詰まり以外にもいびきや耳閉感、嗅覚障害などの症状が出る場合があります。

鼻中隔の曲がり

鼻の中央にある鼻中隔が曲がることで、鼻腔の一方が狭くなり鼻詰まりが起こります。鼻中隔の変形は先天的な要因や外傷が主な原因です。外からはまっすぐに見えていても、鼻中隔は曲がっている場合もあります。

妊娠性鼻炎

妊娠時は全身の血流量が増加するので、鼻の血流量も増えて毛細血管が拡がり、鼻粘膜が腫れやすいです。出産後は血流量の正常化に伴って自然に改善することが多いです。母子への影響を考慮して適切な薬剤を選択する必要があります。

【症状別】鼻詰まりの原因となる疾患

鼻詰まりの原因と考えられる疾患を症状別に以下の表でまとめました。必ず起こるわけではありませんが、目安の症状として参考にしてください。

症状疾患
青や緑っぽい鼻水副鼻腔炎
鼻汁が喉の方へ落ちる
咳や痰がよく出る
片方だけ鼻詰まり鼻中隔湾曲症、鼻茸
左右交互に鼻詰まり鼻中隔湾曲症、アレルギー性鼻炎
鼻詰まりと鼻血アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻内腫瘍

片方の鼻が交互に詰まる場合は「ネーザルサイクル」と呼ばれる生理現象の可能性もあります。これは、数時間ごとに左右交互に鼻閉が起こる現象です。

左右の自律神経の働きが交互に強くなったり弱くなったりするためこの現象が発生します。横になって寝ているときに起こりやすく、上になっている鼻の通りは良くなります。

鼻詰まりの治療とは?

鼻詰まりの治療は原因と症状の強さに応じて異なりますが、一般的に以下のような方法があります。

  • 内服薬や点鼻薬の使用
  • 鼻洗浄
  • 吸引とネブライザー治療
  • 手術

治療法の選択は原因や症状の程度、個人の状態によって異なるため、鼻詰まり症状が続く場合は医師の診断を受けることが大切です。原因別の対処方法や自宅でできるセルフケアについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

>>【鼻詰まりの6つの解消方法】鼻が詰まる原因と原因別の対処法も紹介!

鼻詰まりが気になるときは耳鼻科に行こう!

鼻詰まりは鼻水だけではなく、鼻粘膜の腫れや鼻の構造、鼻内部のしこりが原因で起こります。原因疾患によっても鼻詰まりの症状は違うため、専門医の診断を受けて治療を選択することが大切です。鼻詰まりが治らず悩んでいる方は、耳鼻科の医師へ相談してください。

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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