耳鳴りと頭痛が同時に発生する原因とは?治し方や病院に行く目安も紹介

耳鳴りと頭痛が同時に起こって困っていませんか?それはウイルス感染によるラムゼイハント症候群や自律神経の乱れなどの病気が原因で起こっているかもしれません。この記事では耳鳴りと頭痛が同時に発生する原因と、自分でできる治し方について詳しく解説します。

目次

耳鳴りと頭痛の原因とは?

耳鳴りに加えて頭痛が起こることで不快感が増したり、それぞれの症状を強く感じたりする場合があります。耳鳴りと頭痛が同時に起こる場合、以下の病気との関連が考えられます。

  • 片頭痛
  • ラムゼイハント症候群
  • 更年期障害
  • 自律神経失調症

耳鳴りは耳に異常があると考える方も多いでしょう。しかし、耳以外の部位に異常が起きている可能性もあります。それぞれの病気について詳しく解説します。

片頭痛

耳鳴りと片頭痛は密接に関係しており、耳鳴りの症状を持つ方の約4割が片頭痛に悩まされているという報告があります。片頭痛は頭の血管が拡張・収縮することで周囲の神経を刺激して起こりますが、耳鳴りと同時に起こる場合も同様です。

また、片頭痛の前触れとして耳鳴りが起こる場合もあります。正確に解明されていませんが、大脳皮質内の神経細胞の働きが一時的に低下することが原因だと考えられています。

耳鳴りと片頭痛が同時に起こる場合、耳鳴りの症状がより強く出るといわれています。

ラムゼイハント症候群

ラムゼイハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルスに感染し、帯状疱疹が耳に発生することで起こります。耳に赤みや水ぶくれができる場合や顔面麻痺といった症状に加えて、耳鳴りや頭痛などが出現します。

ラムゼイハント症候群の初期治療は、ステロイドと抗ウイルス薬を併用した薬物治療です。

自然治癒することは少なく、治療開始が遅れると半数近くの方に後遺症が残ってしまう可能性があります。なるべく早期に治療を始められるよう、症状に気づいたらすぐに受診しましょう。

更年期障害

更年期障害によるホルモンバランスの乱れから、頭痛と耳鳴りが起こりやすくなります。閉経を迎える45〜55歳の間に、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが急激に減少して自律神経が乱れるためです。

更年期の耳鳴りは比較的症状が軽く、多くの場合1~6時間ほどで軽快します。更年期を過ぎると自然に症状が消失する場合がほとんどです。

自律神経失調症

過剰なストレスや生活リズムの乱れによる自律神経失調症も、頭痛・耳鳴りの原因の1つです。自律神経は自分の意思とは関係なく循環器や呼吸器など体の内部を調節し、生命維持を行っています。

心身のストレスや寝不足、偏った食生活などが原因で自律神経が乱れると、耳鳴りや頭痛以外にも食欲不振や不眠、不安感といった症状を感じます。1つの症状だけ出ることもあれば、複数の症状が一気に出現することもあり、症状の出方は人によってさまざまです。

自分でできる耳鳴りと頭痛の治し方7選

耳鳴りと頭痛がつらいと、日々の生活や仕事、学業に支障をきたす可能性もあります。とくに片頭痛の発作は突然起こる場合があります。耳鳴りと頭痛が起こったときは、まずは以下の方法を試してみましょう。

  • PCやスマートフォンの明かりを見ない
  • 安静に過ごす
  • 頭痛を引き起こす食べ物を控える
  • ストレス発散をする
  • 十分な睡眠を確保する
  • 頭を冷やす
  • 適度に運動する

それぞれの方法について詳しく解説します。

PCやスマートフォンの明かりを見ない 

音や光による刺激は感覚を過敏にさせ、頭痛や耳鳴りの症状を悪化させます。PCやスマートフォンの操作は控え、落ち着いた暗い部屋で過ごしましょう。すぐに環境が整えられない場合には、耳栓やアイマスクを活用して刺激を遮断する方法もあります。

安静に過ごす

発症時は体を動かすと症状が悪化する場合があります。症状があるうちは歩いたり家事をしたりなどの日常的な行動も控え、横になるなど楽な姿勢で過ごしましょう。可能ならそのまま少し仮眠を取るとより効果的です。

頭痛を引き起こす食べ物を控える

血管の収縮や拡張を促したり、消化器系に負担をかけたりする成分を含む食べ物は控えましょう。

とくに以下の食べ物は取り過ぎに注意してください。

  • アルコール:血管拡張作用がある
  • チーズ:血管収縮作用がある
  • チョコレート:血管収縮作用がある
  • ウインナー、ハムなどの加工品:身体の炎症と脳への血流増加を起こす
  • 乳製品やヨーグルト:血管収縮作用がある
  • 揚げ物:消化に時間がかかるため、消化器系に負担をかける

頭痛発作は空腹時に起こりやすいですし、肥満体系の方も注意が必要です。この食べ物を減らすだけでなく、バランスの取れた食生活を心がけましょう

ストレス発散をする

過度なストレスから耳鳴りと頭痛の症状を引き起こしている場合には、ストレスの原因を取り除きましょう。ストレスは頭や首付近を緊張させ、症状を悪化させるおそれがあります。趣味に没頭したり、入浴や睡眠などでリラックスしたりなど方法はさまざまです。自分に合ったストレス発散方法を日頃から見つけておきましょう。

十分な睡眠を確保する

睡眠不足も症状の発生や悪化の要因です。睡眠が十分にとれないと心身のストレスが蓄積してしまうため、毎日7時間の睡眠を確保しましょう。睡眠時間の取りすぎは逆効果なので、寝過ぎにも気をつける必要があります。睡眠の質を高めるために体に合った寝具を使用したり、日中は日光を浴びたりすることもおすすめです。

頭を冷やす

片頭痛発作の場合、頭を冷やして血管の拡張を防ぎましょう。神経への刺激が減り、症状の改善に繋がります。保冷剤や冷たいタオルなどで痛みのある部位を冷やします。凍傷を起こす可能性もあるので、保冷剤を使う際には直接体に当てないように気をつけましょう。

適度に運動する

症状がやわらいだときは、適度に運動して血流を良くすることも大切です。ヨガや有酸素運動など、なるべく負担の少ないものから始めましょう。症状が強いときは無理せず休んでください。運動中も適度な水分補給、休息を忘れないようにすることも大切です。

耳鳴りは補聴器で緩和できる可能性もあります。以下の記事では、音響療法についても解説しているのでぜひチェックしてみてください。

>>耳鳴りは補聴器で緩和する可能性も!音響療法の特徴や家庭での実践方法もわかりやすく解説

病院を受診する目安

頭痛には、風邪で起こるような軽いものもあれば、命に危険を及ぼす重大なものもあります。頭痛の頻度が多い場合や日常生活に支障をきたしている場合には、頭痛の原因を病院で確認することが大切です。嘔吐や吐き気があったり、だんだん痛みが強くなったりする場合には脳の病気が隠れている可能性があり、とくに注意が必要です。

耳鳴りを伴う頭痛が発生している場合は、耳の周辺の神経や組織に異常が生じている可能性があるため、専門医である耳鼻科へ受診しましょう。

耳鳴りと頭痛がつらいときは耳鼻科に相談しよう

耳鳴りと頭痛が同時に起こった場合、ウイルス感染や片頭痛、ホルモンバランスや自律神経の乱れなどが原因かもしれません。まずは紹介したセルフケアを試してみましょう。早期に治療が必要な場合もありますので、症状が継続する場合や日常生活に支障が出ている場合は、早めに耳鼻咽喉科の医師へご相談ください。

当院で耳鳴りや頭痛の原因を調べたうえで病態に合った治療を提案いたします。お悩みの方は、当院にお越しください。

>>よし耳鼻咽喉科

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この記事の監修者

山中 弘明のアバター 山中 弘明 よし耳鼻咽喉科 院長

【経歴】
・東京医科大学医学部 卒業
・東京医科大学八王子医療センター 初期研修修了
・日本大学板橋病院 勤務
・日本大学病院 勤務
・都立広尾病院 勤務
・よし耳鼻咽喉科 承継

【資格】
・日本耳鼻咽喉科学会専門医
・身体障害者福祉法 第15条 指定医
・日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定 補聴器相談医

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