立ちくらみやめまいに悩んでいませんか?立ちくらみとめまいにはそれぞれの原因があり、症状に合った適切な治療を受けることが重要です。この記事では、立ちくらみとめまいの違いやそれぞれの原因を解説します。立ちくらみやめまいの予防法も紹介するので、立ちくらみやめまいに悩んでいる方は参考にしてください。
立ちくらみとめまいの違い
立ちくらみとは、立ち上がるときなどに急に頭がくらくらしたり目の前が暗くなったりする状態を指します。低血圧や貧血などで脳の血流が一時的に低下することが主な原因です。一方で、めまいは自分や周囲が回転したりふわふわと揺れたりする感覚がある状態です。立ちくらみと異なり、めまいは急な動作がないときにも発生する場合があります。
立ちくらみは一時的な場合が多いですが、めまいは何度も繰り返し起こる場合が多いです。
立ちくらみやめまいの原因とは?
立ちくらみとめまいの症状が違うのは原因が異なるからです。立ちくらみとめまいのそれぞれの原因を解説します。
立ちくらみの原因5選
立ちくらみの原因は自律神経や心血管系の場合が多いです。立ちくらみの主な原因を5つ解説します。
神経調節性失神
神経調節性失神とは、自律神経の乱れによって一時的に脳の血流が低下し、失神する病気です。神経調節性失神の原因は「血管迷走神経反射」「状況失神」「頸動脈洞症候群」の3つに分かれています。
血管迷走神経反射とは、ストレスや恐怖感、痛みなどの要因によって自律神経のバランスが崩れて脳の血流が減少し、失神などの症状を引き起こす生理的反応です。強いストレスを感じたときや長時間同じ姿勢を続けたときに発症しやすいです。
状況失神とは、日常動作や特定の状況で誘発される失神を指します。排尿や排便、嘔吐など副交感神経が優位になりやすい状況で起こりやすいです。
頸動脈洞症候群とは、頸動脈洞と呼ばれる圧力センサーが圧迫され、迷走神経が過剰に反応して、失神などの症状を引き起こす状態です。
神経調節性失神は特効薬や具体的な治療法は確立されていません。症状が出やすい状況を把握し、症状が出ない環境づくりを行いましょう。
起立性低血圧
起立性低血圧とは、立ち上がったときや起き上がったときに血圧が低下して立ちくらみを起こすことです。血液量が少ないことや薬の作用、長い時間横になっているなどの理由で一時的に脳への血液循環が悪くなることが原因です。
起立性低血圧の治療には薬を使わない非薬物療法と薬を使う薬物療法があります。非薬物療法では、規則正しい生活やストレス発散が重要です。立ち上がるときは頭を下げてゆっくり行うことも大切です。薬物療法では、上半身や脳への血流を確保する薬剤を使用します。
熱中症・脱水
熱中症や脱水も立ちくらみの原因です。熱中症や脱水になると、脳への血流が減ったり脳の温度が上昇したりするため、立ちくらみを引き起こします。
立ちくらみの他に、発汗や喉の渇き、頭痛などがある場合は熱中症や脱水が考えられます。熱中症や脱水の場合は、水分補給をしっかりと行いましょう。日の当たらない涼しい場所で休むことも重要です。休んでも症状が改善しない場合は早めに病院へ受診してください。
貧血
貧血とは、何らかの原因によって血液が薄くなったり足りなくなったりする状態です。貧血だと全身に酸素を運ぶヘモグロビンの量が減るため、体内の酸素量が低下して立ちくらみを引き起こします。
貧血は動悸や息切れ、倦怠感などを伴う場合があります。貧血が疑われる場合は、鉄分やビタミンを積極的に摂りましょう。まれに消化管出血や腎機能障害が原因で貧血を起こすこともありますので、長引くようなら病院で検査を受けてください。
更年期障害
更年期障害とは、女性ホルモンの減少により心身にさまざまな症状が現れる状態です。40代〜50代の女性に多く見られ、立ちくらみの他に頭痛や耳鳴り、急な発汗などのさまざまな症状が現れます。
更年期障害の治療は、症状に合わせた対症療法やホルモンを補う方法などがあります。
めまいの原因5選
めまいの原因は耳や脳の病気が考えられます。めまいの原因を5つ解説します。
良性発作性頭位めまい症
良性発作性頭位めまい症とは、頭を動かしたときにめまいが起こる病気です。内耳の耳石器にある耳石が剥がれ落ち、三半規管の中で耳石が刺激になって発生します。めまいはすぐに収まる場合が多く、耳鳴りや難聴などの症状は伴いません。
良性発作性頭位めまい症は治療をしなくても治る場合もありますが、症状がひどい場合や長引く場合は、耳鼻科での診断や治療を受けましょう。
メニエール病
メニエール病は、内耳のリンパ液がたまることで聴覚やバランス感覚に異常が生じ、めまい、難聴、耳鳴りなどの症状が現れる病気です。10分〜数時間ほどぐるぐると回るようなめまいが繰り返されます。
メニエール病は耳鼻科での治療が必要です。回るようなめまいが長時間続く場合は耳鼻科を受診しましょう。
脳出血
脳出血とは、脳の血管が破れて出血する病気です。高血圧や喫煙、過剰なアルコール摂取などが原因と考えられています。激しい頭痛や手足のしびれなどがある場合は、脳出血が疑われます。
脳出血は放置すると命の危険や後遺症の恐れがある危険な状態です。脳出血の可能性があるときは、すぐに脳神経外科や脳神経内科を受診してください。
くも膜下出血
くも膜下出血とは、突然くも膜(脳をおおう膜)の血管が破れて出血する病気です。脳動脈瘤の破裂が最も多い原因を占めています。くも膜下出血は激しい頭痛が特徴です。
くも膜下出血は生死に関わる病気で、特に早急な治療が求められます。急に激しい頭痛が起こった場合は、すぐに病院を受診してください。
前庭神経炎
前庭神経炎とは、突然激しいめまいが起こる病気です。めまいは数日ほど続き、そのあとも立ちくらみやふらつきが続く場合があります。めまいの他に吐き気や嘔吐を伴うことが多いですが、耳の聞こえは問題ないのが特徴です。
めまいの原因をより詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
>>つらいめまいの原因を徹底解説!考えうる病気や対処法まで丸わかり
立ちくらみやめまいの対処法を解説
立ちくらみやめまいの対処法を3つ解説します。症状がひどいときや長引くときは、無理をせずに医療機関に相談してください。
急に立ち上がらない
急に立ち上がると、立ちくらみやめまいが起こりやすくなります。寝起きや長時間座った後などは特に血圧が変動しやすいため、急に立ち上がらないでください。
寝ている状態から起き上がる際は、まず体を横向きにし、ゆっくりと上半身を起こして座った状態をしばらく保ちましょう。その後、足を床に着けて体勢を安定させてから、ゆっくり立ち上がると、急激な血圧の変化を防げます。
頭を勢いよく動かすことも立ちくらみの原因です。日ごろから時間に余裕を持って、落ち着いた行動を心がけましょう。
バランスの良い食生活を送る
バランスの良い食生活も、立ちくらみやめまいの予防に欠かせません。特に貧血や低血圧を防ぐ栄養素を積極的に摂ることが効果的です。おすすめの食材は以下のとおりです。
- 良質なたんぱく質(鶏肉や魚など)
- 鉄分を多く含む食べ物(赤身肉やレバーなど)
- カルシウムを含む食べ物(乳製品や小魚など)
- ビタミンBやCを多く含む食べ物(豚肉や果物など)
栄養素は単体で摂取するよりも、複数の栄養素を組み合わせることで効果を発揮します。野菜や肉、魚などをバランスよく食べましょう。
適度に運動する
適度な運動は、自律神経を整えて立ちくらみやめまいを予防します。
ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど簡単な運動から始めましょう。自分が続けやすい運動を見つけることが重要です。運動中にめまいを感じたときは、無理せず休むようにしてください。
立ちくらみやめまいに悩むときは病院を受診しよう
立ちくらみは目の前が真っ暗になる状態で、めまいは自分や周りが回るように感じる状態です。立ちくらみは一時的な場合が多いですが、めまいは何度も繰り返し起こる場合が多いです。
立ちくらみは心血管系や自律神経の異常と考えられており、めまいは耳や脳の病気が原因の可能性があります。立ちくらみやめまいの予防には、急に立ち上がらないことやバランスの良い食事、適度な運動が効果的です。症状がひどい場合や長引く場合は、病院を受診してください。
当院ではめまい外来を取り入れており、立ちくらみやめまいの原因を調べたうえで治療を提案いたします。立ちくらみやめまいでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
>>よし耳鼻科